
日本企業が海外でソフトウェア開発を行う「オフショア開発」は、近年ますます注目を集めています。
なかでも注目度が高まっているのがベトナムのオフショア開発です。低コストや豊富なIT人材、文化的・地理的な要因など、さまざまな理由で多くの企業がベトナムへオフショア開発を発注しています。
しかし、気になるのは「品質」。コストを削減しても、最終的な成果物が低品質では意味がありません。
本記事では、ベトナムにおけるオフショア開発の品質向上のポイントや国内外での実態を踏まえつつ、なぜベトナムが魅力的なのか、具体的な成功事例、注意点などを詳しく解説していきます。
最終的には、本記事をご覧になった方がベトナムのオフショア開発を検討した際にベストなパートナーを見つけるきっかけとなるよう、実際にベトナムの企業を紹介してくれる「SKILL BRIDGE」というサービスへの誘導を行います。ぜひ最後までご覧ください。
ベトナムのオフショア開発が注目される背景

コストメリットが大きい
オフショア開発をベトナムで行う最大の理由として挙げられるのがコストメリットです。東南アジア諸国のなかでも、ベトナムは労働単価が比較的安価であり、なおかつIT人材の育成に力を入れているため、高コストパフォーマンスが期待できます。日本企業が中国やインドへオフショア開発を移転していた時期もありますが、近年は中国の人件費高騰やインドとの時差・文化の違いなどが大きくなったため、ベトナムが「価格と品質のバランス」で選ばれる傾向が強まっています。
豊富なIT人材と若年層の強み
ベトナムは人口が約1億人に迫り[1]、その半数以上が30歳以下の若年層という非常に豊かな労働力を有しています。さらに、政府がIT教育に力を入れており、多くのエンジニアが国際的な技術力を身につけています。英語教育にも力を注いでいることから、英語でのコミュニケーションが可能な人材が増えているのも注目ポイントです。
また、IT企業の多くはホーチミンやハノイなどの都市部に集中しており、スタートアップ文化も盛んなため、先端技術に触れている若手エンジニアが多いのも魅力です。
ベトナムにおけるオフショア開発の品質事情

教育水準と技術力
ベトナム政府が大学や専門学校でのIT教育を奨励していることもあり、基本的なプログラミング知識やアルゴリズム理解を持った人材が多数存在します。日本人向けの日本語学校も増えており、外国語教育に力を入れているため、日本企業とのコミュニケーションにも比較的スムーズに対応可能な人材が育ちやすいというメリットがあります。
一方で、上流工程や設計力などの部分では、まだ中国やインドなどの大規模IT大国ほどの蓄積が十分とはいえないケースもあります。しかし、ベトナムのエンジニアは吸収力が高いことや、アジャイル開発など最新手法を積極的に取り入れる企業が多いため、プロジェクト経験を積むことで品質向上が図られやすい傾向があります。
コミュニケーション課題とその対策
品質に大きく影響するのが「コミュニケーション」です。オフショア開発では、距離的な問題だけでなく、文化・言語の違いによる意思疎通の難しさがしばしば課題となります。特に要件定義段階での齟齬は、後工程に大きな影響を及ぼします。
- 言語の違い:ベトナム人エンジニアのなかには英語が流暢な人も多いですが、やはり日本語ほどの微妙なニュアンスを伝えることは難しい場合があります。
- 文化の違い:東南アジア特有の「イエス」文化(とりあえず肯定してしまう)や、日本独特のあいまい表現を理解してもらう難しさなどが挙げられます。
対策としては、橋渡し役のブリッジSEを活用したり、ドキュメントを英語・日本語・ベトナム語のいずれかで詳細化しておくことが重要です。
具体的な品質向上のためのポイント

施策 | 具体的内容 | 期待される効果 |
---|---|---|
プロセス管理の強化 | – CMMIやISO 9001などの国際規格を導入し、標準化されたプロセスを構築 – 要件定義・設計・実装・テスト・保守の各段階で責任者・評価基準を明確化 | – 一定水準の品質を担保しやすくなる – 開発の抜け漏れや不具合を早期に発見しやすくなる |
テスト工程の徹底 | – 単体テスト、統合テスト、受け入れテストなどフェーズごとにテスト計画を策定 – テスト自動化ツールの積極活用 | – 不具合の早期発見と修正が可能 – ヒューマンエラーを減らし品質を安定化 |
コミュニケーション体制の整備 | – ブリッジSEやプロジェクトマネージャーが定期的に日越間をつなぐ – 週次・日次ミーティングをオンラインで実施し、課題を可視化 | – 要件の齟齬や進捗の遅れを早期に把握できる – 文化的・言語的ギャップを最小限に抑えられる |
ツール・システム導入によるプロジェクト可視化 | – RedmineやJIRAなどのプロジェクト管理ツールでタスク・進捗を「見える化」 – GitHubやGitLabでソースコードを一元管理し、コードレビューを定期的に実施 | – 進捗管理が容易になり、タスクの取りこぼしが減少 – コードレビューにより品質向上とナレッジ共有が促進 |
ドキュメント整備の徹底 | – 要件定義や仕様を英語・日本語・ベトナム語など複数言語で用意 – 担当者変更・離職時に備えた「引き継ぎマニュアル」の作成 | – コミュニケーションロスを最小化し、プロジェクト継続性を高める – 誤解による大幅な仕様変更や工数増を防ぐ |
プロセス管理と品質基準の徹底
オフショア開発において品質を確保するためには、プロセス管理が非常に重要となります。例えば、CMMI(Capability Maturity Model Integration)レベルや、ISO 9001などの国際規格に準拠したプロセスを組み込むことで、一定水準以上の品質を担保しやすくなります。
さらに、単体テスト、統合テスト、受け入れテストなど、各フェーズでのテスト計画・実施体制を徹底させることで不具合を最小限に抑えられます。ベトナムでは、こうした国際規格やITサービスマネジメントに関心の高い企業が増えています。
ツール・システム導入による可視化
プロジェクトの進捗や品質を可視化するために、ツール・システムを活用するのも大きなポイントです。
- プロジェクト管理ツール:Redmine、JIRA、Backlogなど
- ソースコード管理ツール:GitHub、GitLabなど
- チャットツール:Slack、Microsoft Teamsなど
これらを使うことで、進捗管理やコミュニケーションの履歴をしっかり残し、いつでもレビューできる体制が整います。特に時差のある環境でもチャットツールやタスク管理ツールをフル活用すれば、円滑なチーム連携を保てます。
文化・言語の壁を乗り越えるコミュニケーション術
ベトナムのエンジニアと協力して高品質な成果を出すには、定期的かつ丁寧なコミュニケーションが欠かせません。具体的には:
週次・日次の定例ミーティング:プロジェクト進行状況を共有し、課題を早期に発見する。
文書化の徹底:タスクの指示や要件変更などは必ず文面で残し、誤解を防ぐ。
レビュー体制の強化:コードレビューや仕様レビューを頻繁に行い、品質向上を図る。
また、日本側とベトナム側でブリッジSEやプロジェクトマネージャーが密に連携し、プロジェクトのゴールとスコープを常に共有することが成功への近道です。
ベトナムオフショア開発の成功事例と失敗事例

成功事例:大手企業の効率的なリソース活用
ある大手IT企業では、長年の保守運用業務をベトナムのオフショア拠点に移管することで、リソースの再配分に成功した事例があります。日本側のエンジニアは新規プロジェクトや上流工程に集中でき、ベトナム側が日々の運用・保守を担当する体制を構築したことで、開発効率が大幅に向上しました。
この企業は、コミュニケーションギャップを防ぐために週に1度、必ずビデオ会議を行うルールを徹底し、ドキュメントを英語と日本語で併記するなど、品質維持のための施策を段階的に導入。結果的に、高品質・低コストな運用体制を実現しました。
失敗事例:要件定義の曖昧さによるプロジェクト崩壊
一方で、失敗事例としてよくあるのが要件定義の不十分さです。ある中小企業がECサイトの開発をベトナム企業に委託した際、具体的なUI/UX要件や機能仕様を十分に伝達できていなかったため、開発途中で大幅な仕様変更が頻発。結果として納期が遅延し、コストが当初予定の2倍以上に膨らんでしまいました。
この例からも、プロジェクト初期段階でのドキュメント整備とコミュニケーションがどれほど重要かが分かります。海外とのやり取りだからこそ、書面・ツール・ミーティングなどあらゆる手段を活用して要件を明文化する必要があります。
ベトナムオフショア開発の最新動向と今後の展望

DX需要とベトナムITエンジニアの役割
近年、日本国内でもDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが急速に加速しています。大企業だけでなく、中堅・中小企業でもデジタル化が求められる時代となり、IT人材の不足が深刻化しています。
ベトナムのITエンジニアは、単純なプログラミングだけでなく、AI・IoT・ビッグデータなど先端技術の開発にも積極的に取り組む傾向があります。DX分野はグローバルな知識やスキルが求められるため、国際的に競争力のあるベトナムエンジニアが日本市場でもますます活躍すると考えられます。
コロナ禍以降のリモート環境とオフショア開発
コロナ禍を経て多くの日本企業がリモートワーク体制やオンライン会議システムを導入しました。これにより、地理的な制約が緩和され、海外とのやり取りが以前よりもスムーズになったと感じる企業も増えています。リモート環境が当たり前になったことで、オフショア開発に対する心理的ハードルが下がり、むしろグローバルに優秀な人材を活用する機運が高まっています。
一方で、リモート環境に依存することで、セキュリティや情報管理の課題も顕在化しています。この点でも、ベトナムの開発企業はISO27001など情報セキュリティマネジメントシステムを導入する企業が増え始めており、安心して外注できる環境づくりが進んでいます。
まとめ
本記事では、ベトナムのオフショア開発に関して、以下のポイントを中心に解説しました。
ベトナムのオフショア開発が注目される背景
- コストメリットとIT人材の豊富さ
- 若年層エンジニアの多さと技術力の伸びしろ
ベトナムにおけるオフショア開発の品質事情
- 政府主導のIT教育や国際基準の導入
- 言語・文化の違いによるコミュニケーション課題
具体的な品質向上のためのポイント
- プロセス管理の重要性(CMMI、ISO規格など)
- ツール導入によるプロジェクト可視化
- 文化や言語の壁を乗り越えるコミュニケーション策
成功事例と失敗事例
- 成功事例:日本側が上流に集中し、ベトナム側が保守を担当
- 失敗事例:要件定義不十分による大幅な仕様変更とコスト増
最新動向と今後の展望
- DX需要の高まりとベトナムITエンジニアの活躍
- リモートワークの普及によるオフショア開発拡大とセキュリティ課題
ベトナムのオフショア開発は、適切なパートナーを選び、プロジェクト管理やコミュニケーションをしっかり行うことで、高品質とコストダウンの両立が十分に可能です。日本側が要件定義から運用まで丁寧にサポートすれば、ベトナムの優秀なエンジニアの力を引き出し、大きなビジネスチャンスにつなげることができるでしょう。
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