
近年、日本国内のIT人材不足や開発コストの高騰を背景に、ソフトウェア開発業務を海外企業に委託する「オフショア開発」が再び注目を集めています。特に東南アジアを中心に、世界各国で優秀なIT人材が増加しており、日本企業が活用できるリソースは拡大しています。
しかし、「どの国に委託すれば良いのか?」は多くの企業にとって悩ましい問題です。
本記事では、2025年の最新情報に基づき、オフショア開発先として有力な15カ国を徹底比較します。各国の強み・弱み、得意分野、人件費相場、リスク要因などを網羅的に解説し、さらにプロジェクトのタイプ別に最適な委託先を考察します。
記事の最後では、総合的な評価として「なぜベトナムが最もバランスに優れているのか」を解説し、「ベトナムのオフショア開発は今こそ始めるべき」と結論付ける理由を明らかにします。
オフショア開発とは?(初心者でもわかる導入)

オフショア開発とは、自社のソフトウェア開発やシステム構築といった業務を、海外の企業や子会社に委託することです。例えば、日本の企業がベトナムやインドなどのIT企業と契約を結び、開発を進めるケースがこれにあたります。
国内の企業に委託する「ニアショア開発」とは異なり、海外とのやり取りになるため、言語の壁、時差、文化の違いといった課題が生じます。しかし、これらの課題を乗り越えられれば、優秀な海外エンジニアの力を借りて開発コストを大幅に削減できるという大きなメリットがあります。
オフショア開発の歴史は1970年代の米国に遡り、日本企業も1980年代から中国への委託を中心に活用してきました。2000年代以降はインドやベトナムなど選択肢が広がり、現在では多くの国が日本企業のオフショア開発パートナー候補となっています。
オフショア開発が注目されている背景

オフショア開発が近年ますます注目される理由は、主に以下の2点です。
コスト削減と高度IT人材の確保
- 日本国内のエンジニア人件費は高騰しており、プロジェクト予算を圧迫しがちです。オフショア開発では、国によっては日本人エンジニアの半分以下のコストで優秀な人材を確保できる場合があります。
- AI、クラウド、ブロックチェーンといった先端技術分野では、国内で必要なスキルを持つ人材を見つけることが困難になっています。経済産業省の試算では、2030年には国内で最大約80万人のIT人材が不足する可能性も指摘されており、海外の豊富なIT人材リソースへの期待が高まっています。
DX推進とオフショア活用の潮流
- 多くの日本企業がDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進しようとしていますが、それを担うITエンジニアが国内で不足しているため、開発が思うように進まないケースが増えています。オフショア開発は、この課題を解決しDXを加速させる手段として重要視されています。
- コロナ禍以降、リモートワークやオンライン会議が普及し、地理的な距離のハードルが下がりました。英語やブリッジSE(日本と海外の橋渡し役)を介したコミュニケーション環境も整備されつつあり、中小企業を含む多くの企業にとってオフショア開発がより身近な選択肢となっています。
オフショア開発先15カ国の徹底比較

それでは、オフショア開発の委託先候補となる代表的な15カ国について、それぞれの特徴を比較していきましょう。
オフショア開発先 候補国一覧:
- ベトナム
- フィリピン
- インド
- バングラデシュ
- ミャンマー
- 中国
- マレーシア
- インドネシア
- タイ
- ブラジル
- 台湾
- モンゴル
- カンボジア
- ラオス
- ネパール
以下の比較表で、各国の概要を掴んでみましょう。
【2025年版】オフショア開発先15カ国 比較表
国名 | 強み・得意分野 | 人件費相場 (月額目安) | コミュニケーション (言語、日本語) | 弱み・リスク要因 |
---|---|---|---|---|
ベトナム | コストと品質のバランス◎、親日、Web・アプリ開発、AI・基幹系も増加 | 30万~40万円前後 | 日本語対応可、英語も可 | 人件費上昇傾向、一部英語力不足 |
フィリピン | 高い英語力、BPO、Web・アプリ開発、時差少ない | 20万~30万円前後 | 英語(公用語レベル)、日本語は少ない | 日本語対応人材不足、文化の違い(残業等)、一部治安懸念 |
インド | 世界有数のIT大国、先端技術(AI、クラウド等)、大規模開発 | 40万円強~(高め) | 英語(ビジネスレベル)、日本語はほぼ不可 | 人件費高騰、人材流動性高い、時差3.5時間 |
バングラデシュ | コスト最安水準、親日、若手人材増加、Web・アプリ開発 | 20万円台前半~(安い) | 英語、日本語学習者増加中 | 技術力・品質のばらつき、インフラ不安定、実績少ない |
ミャンマー | 超低コスト、若手人材、勤勉 | 20万円前後~(最安級) | 日本語学習者あり、英語も可 | 政治情勢不安定(最大リスク)、インフラ未整備 |
中国 | 高い技術力、豊富な実績、日本語人材多い、時差少ない | 40万円以上(高い) | 日本語対応可、英語も可 | 人件費高騰、規制・政策リスク、知財リスク、地政学リスク |
マレーシア | 多言語対応(英・中・マレー語等)、安定したビジネス環境、ITインフラ整備済み | 30万~40万円前後 | 英語(ビジネスレベル)、多言語対応、日本語は少ない | コストは安くない、イスラム文化への配慮 |
インドネシア | 人口多く潜在力大、国内IT市場急成長、Eコマース・Fintech | 25万~35万円前後 | インドネシア語、英語は一部、日本語は少ない | オフショア実績浅い、英語人材少ない、インフラ地域差 |
タイ | 日本語人材豊富、日系企業多い、インフラ整備、製造業・観光系システム | 30万~50万円前後(高め) | 日本語対応可、英語も可 | 人件費高め、政治リスク(過去クーデター等)、文化の違い |
ブラジル | ラテンアメリカ最大のIT国、先端技術、時差活用(24h体制)、南米市場向け | 50万円以上(非常に高い) | ポルトガル語、英語、スペイン語、日本語はほぼ不可 | コスト高、地理的距離、文化の違い |
台湾 | 高い技術力(特にハードウェア連携)、近距離、親日、日本語人材あり | 40万~60万円前後(高い) | 中国語、英語、日本語対応可 | コスト高、人材確保難、地政学リスク |
モンゴル | 日本人に似た国民性(真面目)、超低コスト、成長ポテンシャル | 10万~20万円前後(最安級) | モンゴル語、英語、日本語学習者増加中 | 技術力・実績不足、人材数少ない、インフラ(地方) |
カンボジア | 超低コスト、若手人材増加、親日 | 10万~20万円未満(最安級) | クメール語、英語、日本語は少ない | 技術力・教育水準低い、インフラ未整備、実績少ない |
ラオス | 超低コスト(潜在力)、IT教育開始 | 数万~10万円台前半(最安級) | ラオス語、英語、日本語はほぼ不可 | 技術力・人材数不足、実績皆無、周辺国への人材流出 |
ネパール | 親日、勤勉、インド級技術者も存在、英語力高い、超低コスト | 20万円前後(最安級) | ネパール語、英語(ビジネスレベル)、日本語ブリッジSEあり | インフラ(電力)不安定、政情不安リスク |
ここからは、各国についてもう少し詳しく見ていきましょう。
ベトナム|コストと品質のバランスが良い親日国
強み・得意分野
日本企業のオフショア開発先として圧倒的な人気を誇ります。技術力とコストのバランスが非常に良く、親日的な国民性も魅力です。政府主導のIT人材育成により、基礎力の高い優秀なエンジニアが豊富に育っています。Java、PHP、PythonなどのWeb開発技術やモバイルアプリ開発(iOS/Android) が得意で、日本向け案件への適応力が高いです。近年ではAIやブロックチェーン、基幹システム開発(SAP等) の実績も増えています。
人件費相場
エンジニアの月額単価は約30万~40万円前後。日本の半分以下のコストメリットがあります。ただし、人気上昇に伴い人件費は上昇傾向にあります。
弱み・リスク要因
大きな弱みは少ないですが、人件費上昇と一部エンジニアの英語力不足が挙げられます。日本語対応可能な企業やエンジニアが増えていますが、プロジェクトによっては英語でのコミュニケーションも必要になります。文化の違い(例:報連相のタイミング)を理解し、密な連携を心がけることが大切です。
フィリピン|英語コミュニケーションが得意で人件費も割安
強み・得意分野
最大の強みは国民の英語力の高さです。英語が公用語の一つであり、流暢な英語話者が多いため、特にグローバル向けのシステム開発や多国籍チームでの連携がスムーズです。英語圏向けのWebサービスやモバイルアプリ開発、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)で培ったバックエンド業務システム開発などが得意です。日本との時差が1時間と小さいのも利点です。
人件費相場
エンジニアの月額単価は約20万~30万円前後。ベトナムと同程度かやや安価で、コストパフォーマンスが良いと言えます。
弱み・リスク要因
日本語対応人材が少ないことが日本企業にとっての課題です。文化的に残業を好まない傾向があるため、納期設定に配慮が必要です。一部地域では治安にも注意が必要です。ブリッジSEの活用や、現地パートナー企業の選定が重要になります。
インド|世界有数のIT大国で先端技術に強い
強み・得意分野
世界的なIT大国であり、約500万人のプログラマーを擁します。特にAI、クラウド、ブロックチェーンなどの最先端技術に強く、日本国内では確保が難しい高度なスキルを持つ人材を見つけやすいのが魅力です。インド工科大学(IIT)などトップクラスの教育機関が優秀な人材を輩出しており、大規模システム開発や難易度の高いプロジェクトに適しています。
人件費相場
他のアジア諸国に比べるとやや高めで、一般的なエンジニアの月額単価は40万円強~。シニアクラスや先端スキル人材はさらに高額になる傾向があります。
弱み・リスク要因
人件費の高騰と、より良い条件を求めて転職する人材の流動性の高さが課題です。プロジェクト途中で担当者が変わるリスクも考慮する必要があります。日本との時差は3時間半あり、リアルタイムでの共同作業には調整が必要です。日本語話者はほぼいないため、ブリッジSEが必須となります。
バングラデシュ|コスト重視なら有力な新興選択肢
強み・得意分野
近年注目度が高まっている新興オフショア先です。最大の魅力は開発コストの低さで、エンジニア月額単価は他の主要国より安価です。親日国としても知られ、日系企業の進出も増加しています。政府主導でIT人材育成が進んでおり、若手エンジニアが増加中です。Webシステムやモバイルアプリの受託開発が中心ですが、AIやIoT分野にも力を入れ始めています。
人件費相場
アジア主要国の中でも最安水準で、月額単価は20万円台前半と推定されます。「コスト最優先」の案件では非常に魅力的です。
弱み・リスク要因
技術力や開発品質にばらつきがある点が課題です。日本企業との取引経験が少ない企業もあり、納期や品質管理の意識にギャップがある可能性があります。通信インフラが不安定な地域もあります。品質管理体制の確認や、パイロットプロジェクトでの見極めが重要です。
ミャンマー|超低コストだが政治情勢リスクに注意
強み・得意分野
人件費が非常に低く、将来性のある若手IT人材が多い点が特徴です。勤勉で真面目な国民性と言われ、日本語を学ぶエンジニアもいます。Webアプリケーションやモバイル開発を中心に、オフショア開発の実績を積み始めている企業もあります。
人件費相場
最安クラスで、月額単価は20万円前後、あるいはそれ以下とも言われます。コストメリットは非常に大きいです。
弱み・リスク要因
最大のリスクは政治的な不安定さです。2021年のクーデター以降、政情不安が続いており、プロジェクトの停止・遅延リスクがあります。インフラ(通信、電力)も発展途上で、計画停電なども発生し得ます。利用する場合は、現地情勢を注視し、リスクヘッジ策(バックアップ拠点確保など)を講じる必要があります。
中国|高い技術力だが人件費上昇と規制リスクに注意
強み・得意分野
かつて日本最大のオフショア先であり、今なお世界トップクラスの技術力を持つエンジニアが豊富です。AI、ビッグデータ、モバイルアプリなど幅広い分野で高水準の開発が可能。日本語を話せるエンジニアも多く、時差も1時間と少ないため連携しやすいです。基幹系からWeb、組み込みまで豊富な実績があります。
人件費相場
年々上昇しており、もはや「安い」とは言えません。月額単価は40万円以上が目安で、インドと並ぶ高水準です。大幅なコストメリットは期待しにくく、費用対効果の見極めが重要です。
弱み・リスク要因
政府の政策・規制変更リスクや、知的財産の流出リスクが懸念されます。突然の規制強化でプロジェクトが影響を受ける可能性や、ソースコード流出などのトラブルも報告されています。米中対立などの地政学リスクも考慮が必要です。利用する際は、契約やセキュリティ対策を徹底し、情勢変化に注意する必要があります。
マレーシア|多言語人材が豊富で安定したビジネス環境
強み・得意分野
経済的・政治的に安定しており、多言語対応(英語、中国語、マレー語など)に強いのが特徴です。英語がビジネスで広く通用し、ITエンジニアの英語力も高いです。政府がIT産業育成に積極的で、質の高い人材が集まっています。多言語Webサービスや東南アジア市場向けアプリ開発、イスラム金融ITなどに強みがあります。
人件費相場
東南アジアの中ではやや高めで、月額単価は30万~40万円前後。コストメリットはベトナムやフィリピンに劣りますが、日本よりは安価です。
弱み・リスク要因
突出したコストメリットがない点と、イスラム文化(金曜礼拝、ラマダンなど)への配慮が必要です。ただし、宗教的には寛容な社会であり、大きな障害にはなりにくいでしょう。インフラは整備され治安も比較的良好なため、安定した開発環境が期待できます。
インドネシア|人口規模を活かし将来有望だが実績はこれから
強み・得意分野
世界第4位の人口を誇り、潜在的なIT人材プールが大きいのが強みです。国内のEコマースやフィンテック市場が急成長しており、関連する開発経験を持つ企業が増えています。現地サービス展開を目指す企業には魅力的な拠点となります。今後、オフショア開発ノウハウが蓄積されれば、有力な選択肢になる可能性があります。
人件費相場
月額単価は25万~35万円前後と見られ、ベトナムと同程度かやや高い水準です。
弱み・リスク要因
英語を流暢に話せるエンジニアが少ない点がコミュニケーション上の課題です。オフショア開発の受託実績がまだ浅いため、プロジェクト管理や品質管理のノウハウが不足している企業もあります。実績のある企業を慎重に選ぶことが重要です。
タイ|日本語人材も多くコミュニケーション良好だがコスト高め
強み・得意分野
日系企業が多く進出しており、日本語が堪能な現地人材が比較的豊富です。日本語でのコミュニケーションを重視する場合に適しています。社会インフラも整備されており、安定した開発環境です。製造業関連のシステムや、観光・旅行系のシステム開発に強みを持つ企業があります。
人件費相場
東南アジアでは高めの部類に入り、月額単価は30万~50万円前後。コストメリットは限定的です。
弱み・リスク要因
人件費の高さと、過去にクーデターがあった政治リスクが懸念点です。「マイペンライ(なんとかなる)」という国民性があり、細かな進捗管理が必要な場合もあります。コミュニケーション重視でコストを許容できる場合に選択肢となります。
ブラジル|ラテンアメリカ随一のIT大国で時差を活かした開発も可能
強み・得意分野
南米最大のIT産業国で、高度な技術力を持つ人材がいます。日本との時差が12時間(ほぼ昼夜逆転)あり、24時間体制の保守・運用などに活用できます。AI、クラウド、Eコマース分野でスタートアップも活発です。ポルトガル語・スペイン語圏市場向けの開発にも強みがあります。
人件費相場
非常に高く、月額単価は50万円以上、シニア層では100万円近くになることも。コスト削減目的には向きません。
弱み・リスク要因
コストの高さと日本からの地理的な遠さが最大のネックです。費用対効果を慎重に評価する必要があります。文化の違いもありますが、日系移民も多く日本文化への理解はあります。「時差活用」「特定スキル確保」など特殊な要件がある場合に検討すべき国です。
台湾|世界水準の技術力と近距離の安心感
強み・得意分野
半導体などハードウェア産業が強く、電子工学や組み込みソフトウェアに強いIT人材が豊富です。教育水準が高く、世界水準の技術力を持つエンジニアがいます。日本から近く(フライト3~4時間、時差1時間)、対面での連携もしやすいです。日本語を話せる人材もおり、親日的で協働しやすい環境です。FinTechやブロックチェーン分野でも注目されています。
人件費相場
高めで、月額単価は40万~60万円前後。コストよりも品質やスピードを重視する場合の選択肢です。
弱み・リスク要因
コスト高に加え、人材確保が難しくなっているとの声もあります。効率重視の台湾エンジニアと、慎重な日本企業のペースが合わない可能性も。昨今の地政学リスクも無視できません。距離の近さによる安心感は大きなメリットです。
モンゴル|日本人に似た真面目さと成長余地を秘めた国
強み・得意分野
オフショア開発先としてはまだマイナーですが、日本人と価値観が近い真面目な国民性が特徴です。勤勉で責任感が強いと言われます。IT産業は発展途上ですが、若く意欲的な人材が育ちつつあり、人件費が非常に安い点と成長ポテンシャルが魅力です。日本語学習者も増えています。
人件費相場
最安クラスで、月額単価は10万~20万円前後と推定されます。超低コストでの開発が可能です。
弱み・リスク要因
技術力がまだ発展途上で、オフショア開発経験豊富な企業やPMが少ない点が課題です。日本側からの技術指導が必要になる場合もあります。人材数も限られています。「育てる」前提で、小規模案件から始めるのに適した国です。
カンボジア|人件費は格安だが技術レベルはこれから
強み・得意分野
オフショア開発の歴史は浅いですが、人件費の安さは群を抜いています。コスト最重視の企業には魅力的です。若い世代を中心にIT教育が進んでおり、将来性があります。親日的な国民性も特徴です。小規模なWebサイト制作やモバイルアプリ開発で実績が出始めています。
人件費相場
非常に安価で、月額10万円台、経験者でも20万円未満が多いとされます。ネパールやモンゴルと並ぶ最安水準です。
弱み・リスク要因
IT人材の技術レベルや高等教育を受けた人材がまだ少ない点が課題です。インフラ(電力、通信)も発展途上で、不安定な場合があります。リスクヘッジを考慮したスケジュール管理が必要です。
ラオス|潜在力はあるが人材数が少なくこれからの新興地
強み・得意分野
オフショア開発実績はほとんどありませんが、人件費が非常に安価である点、政府がIT教育に取り組み始めている点にポテンシャルがあります。日本企業に対して友好的な姿勢です。
人件費相場
極めて安価で、月額数万円~10万円台前半と推測されます。費用を最小限に抑えたい場合に候補となり得ます。
弱み・リスク要因
技術力・人材数ともに不足しているのが現状です。経験豊富なエンジニアはほぼおらず、即戦力チームを期待するのは困難です。経済規模も小さく、IT産業自体がまだ黎明期です。限定的な条件下での利用(ラボ型開発など)が現実的でしょう。
ネパール|親日国で英語も通じ低コスト、インド級の技術者を確保可能
強み・得意分野
世界有数の親日国で、国民性は勤勉・謙虚と言われ日本人と相性が良いです。インドに隣接し、インドのエンジニアと同等の技術力を持つ人材が低コストで存在する点が最大の魅力です。英語が広く使われ、エンジニアの英語力も高いため、コミュニケーションは比較的スムーズです。Webシステムやモバイルアプリ開発で実績を積む企業が出てきています。
人件費相場
非常に安価で、エンジニアの月額単価は20万円前後。PMクラスでも25万円程度という驚異的なデータもあり、バングラデシュ以上のコストメリットが期待できます。
弱み・リスク要因
インフラ(特に電力)の不安定さが課題で、計画停電などにより開発がストップするリスクがあります。政情不安リスクも他国よりやや高く、政治的な混乱がビジネスに影響を与える可能性もゼロではありません。安定稼働のためのリスク管理が特に重要です。
プロジェクトタイプ別:最適なオフショア開発先はどこ?

15カ国の特徴を踏まえ、プロジェクトのタイプ別に最適な国を考えてみましょう。
小規模PoC(概念実証)開発の場合
- 目的: 短期間・低コストでの試作開発
- 候補国:
- ネパール、バングラデシュ、モンゴル、カンボジア: とにかくコストを抑えたい場合に最適。特にネパールは英語も通じやすく有利。
- インド: 最新技術(AI等)のPoCであれば、コストは上がるが高度な技術力を持つインドが適任。
- ポイント: PoC段階は失敗も許容されるため、思い切って新興国の低コストなリソースを活用するのも有効です。
AI開発プロジェクトの場合
- 目的: 高度な数学・統計知識、最新技術スキルが必要な開発
- 候補国:
- インド: AIスペシャリストが豊富で、最高峰の人材を探すなら第一候補。
- ベトナム: AI人材育成に注力しており、コストとスキルのバランスが良い。基本的なAI開発なら十分対応可能。
- ウクライナ (※): 数学力に長けたエンジニアが多くAI開発実績もあるが、政治情勢リスクを考慮する必要あり。
- ポイント: 人材の質が成果を大きく左右するため、実績とスキルを最優先に国を選びましょう。
大規模ERP導入・基幹システム開発の場合
- 目的: 豊富な人材、高いプロジェクトマネジメント力、品質要求への対応
- 候補国:
- ベトナム: 近年SAPやSalesforce等に対応可能な企業が増加。大人数チーム編成も可能で、日本語対応力も高い。
- 中国: 大規模開発の実績は豊富だが、コスト高・規制リスクに注意が必要。大手企業選定が鍵。
- インド: グローバルERP導入実績が豊富。英語ベースのプロジェクトに強い。
- フィリピン: 英語力を活かしたグローバルERPカスタマイズなどに向くが、国内実績はまだ少ない。
- ポイント: 日本語資料が多い場合はベトナム、英語主体ならインドが有利。人海戦術が必要な場合はベトナムや中国が候補になります。
業務アプリ・Webサービス開発の場合
- 目的: 日本側との密な連携、技術力とコストメリットのバランス
- 候補国:
- ベトナム: コスト・品質・コミュニケーションのバランスが最も良く、第一候補。Webシステム開発実績も豊富。
- フィリピン: 英語でのコミュニケーションが前提だが、アジャイル開発などにも柔軟に対応可能。グローバル展開を見据える場合に有利。
- マレーシア: 多言語対応が必要な場合に強みを発揮。安定した開発環境も魅力。
- タイ: 日本語でのコミュニケーションを重視する場合。ただしコストは高め。
- ポイント: バランス型の国を選ぶのが成功の鍵。日本側の要件定義力と信頼できるパートナー選びが重要です。
総合評価:なぜベトナムが最もバランスが取れているのか

ここまで15カ国を比較してきましたが、総合的なバランスで最もおすすめできる国は「ベトナム」であると結論付けます。その理由は以下の通りです。
圧倒的な人気と実績
日本企業の新規オフショア開発案件の約4割がベトナムに集中しており、最も選ばれている国です。これは、多くの企業がベトナムの優位性を認めている証拠と言えます。
「コスト」「品質」「コミュニケーション」の三方良し
- コスト: 中国やインドより人件費を抑えられる。
- 品質: 基礎技術力が高く、真面目で勤勉なエンジニアが多い。
- コミュニケーション: 親日的で日本文化への理解があり、日本語対応可能な人材・企業が増加中。日本企業の要求に柔軟に対応してくれる傾向がある。
突出した欠点が少ない
他国を見ると、インドはコストと人材流動性、フィリピンは日本語対応、バングラデシュは実績不足など、明確な弱点があります。一方、ベトナムはこれらの点で大きな欠点がなく、全体的なバランスに優れています。
政治・経済の安定性
中国やミャンマーのような政治リスクは低く、政府もIT産業振興と外資誘致に前向きです。治安も比較的良好です。
地理的な近さと時差の少なさ
日本から飛行機で6~7時間程度、時差も2時間。リアルタイムでのコミュニケーションや、必要に応じた現地出張が比較的容易です。
もちろん、ベトナムも人件費上昇や優秀人材の獲得競争といった課題はありますが、それを考慮してもなお、多くの日本企業にとって最もリスクが少なく、導入しやすいオフショア開発先であることは間違いありません。
ベトナムのオフショア開発は「今」やった方がいい:その理由まとめ

最後に、なぜ「今」ベトナムでのオフショア開発を始めるべきなのか、その理由をまとめます。
好条件が揃う「黄金期」である
優秀なIT人材が豊富で、かつ人件費はまだ日本の半分以下というコストメリットが存在します。日本語対応や日本流の開発プロセスに慣れた企業も多く、スタートしやすい環境です。しかし、人件費は年々上昇しており、この好条件が永遠に続く保証はありません。コストと品質のバランスが最も良い「今」が絶好のチャンスです。
競合他社も活用を始めている
日本企業の約4割がベトナムを選んでいる現状は、乗り遅れると優秀な開発パートナーの確保競争で不利になることを意味します。良いパートナー企業のリソースは早い者勝ちです。
リスクが比較的低く、試しやすい
他国に比べて政治的・文化的な不確実性が低く、日本からも近いため、初めてのオフショア開発にも適しています。まずベトナムで成功体験を積み、ノウハウを蓄積する価値は高いです。
国内のIT人材不足は深刻化する一方
2030年には最大80万人のIT人材不足が予測される中、国内リソースだけで競争力を維持するのは困難です。海外の優秀なリソースを活用することは、今後の企業成長に不可欠であり、その第一歩としてベトナムは最適です。
もちろん、プロジェクトの特性によっては他の国が最適な場合もあります。しかし、総合的に見て、ベトナムは多くの日本企業にとって最も有力な選択肢です。
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