日本では、Webサービスやスマートフォン向けアプリの利用が当たり前になりました。それに伴い、画面（UI）を作る「フロントエンジニア」の需要が急増しています。しかし国内では、需要に対してエンジニア数が追いつかず、人材不足が深刻化しているのが現状です。
そこで注目されるのが「オフショア開発」と呼ばれる海外のエンジニア活用です。なかでもベトナムは、若く優秀なIT人材が多いことやコスト面のメリットから、多くの日本企業が拠点として選んでいます。ただし、言葉や文化の違いによるリスクもあるため、導入前にポイントをしっかり把握しておくことが大切です。
フロントエンジニアとは？業務内容と求められるスキル
フロントエンジニアの主な役割
フロントエンジニアとは、Webサイトやアプリの「見た目」や「使いやすさ（UI/UX）」を担当するエンジニアです。以下の用語を覚えておくと理解が深まります。
- UI（ユーザーインターフェース）: ボタンやページレイアウトなど、直接ユーザーが触れる画面部分
- UX（ユーザーエクスペリエンス）: サイトやアプリを使うことで得られる体験全体のこと
フロントエンジニアは、これらUI/UXを最適化するために、HTML、CSS、JavaScriptなどを使ってデザインや動きのある画面を組み立てます。
参考リンク（HTML/CSS/JavaScriptの基本）
具体的な業務内容
UI/UXデザインの実装
フロントエンドエンジニアは、UI/UXデザインを実際にコードで具現化します。デザイナーが提供するデザインを基に、HTML, CSS, JavaScriptなどを使って、ウェブページの見た目やインタラクションを再現します。これには、レスポンシブデザインを取り入れて、モバイルやタブレットなど、異なるデバイスで適切に表示されるように調整する作業も含まれます。また、アニメーションやトランジション効果を使って、ユーザーインターフェースを直感的で魅力的にすることも重要な役割です。
SEO対策やアクセシビリティの向上
SEO（検索エンジン最適化）は、ウェブサイトが検索エンジンで上位に表示されるために重要です。フロントエンドエンジニアは、ページの読み込み速度やモバイルフレンドリーの向上、適切なメタタグやキーワードの配置など、検索エンジンにとって有利な設計を行います。また、アクセシビリティ（A11y）は、障がいを持つユーザーにも使いやすいウェブサイトを提供するために重要です。スクリーンリーダーやキーボードナビゲーションを考慮したコーディング、色のコントラスト、フォントサイズなど、誰もがアクセスできるサイトを作成することが求められます。
パフォーマンスチューニング
ウェブサイトやアプリケーションのパフォーマンスは、ユーザー体験に大きな影響を与えます。フロントエンドエンジニアは、ページの読み込み速度を改善するために、画像の圧縮、キャッシュの活用、非同期のリソース読み込み、スクリプトやCSSの最適化などを行います。また、不要なコードやライブラリの削減もパフォーマンス向上の一環として行います。これにより、ユーザーが快適にウェブサイトを利用できるようになります。
バックエンドとの連携
フロントエンドエンジニアは、バックエンドとの連携を通じて、動的なコンテンツの表示やユーザーインタラクションの処理を実現します。具体的には、APIを使ってサーバーからデータを取得し、それを画面に表示する作業が含まれます。たとえば、ユーザーがフォームに入力した情報をサーバーに送信し、処理結果を画面に表示する機能を実装します。RESTful APIやGraphQLなどの通信手段を用いて、バックエンドとデータをやり取りし、ユーザーの要求に応じた動的なコンテンツを表示するためのコードを作成します。
求められるスキルセット
HTML/CSS
見た目の骨組みと装飾を行う基本技術
JavaScript
画面の動きや機能を実装
代表的なフレームワーク：
React（公式ドキュメント）
Vue.js（公式ドキュメント）
Angular（公式ドキュメント）
Gitなどのバージョン管理
複数人で作業する際に、コード変更の履歴を残す仕組み
UI/UX設計の知識
ユーザビリティやデザイン原則の理解
オフショア開発の概要とベトナムが注目される理由
オフショア開発とは？
オフショア開発とは、海外拠点や海外エンジニアに開発業務を依頼することです。日本国内よりも人件費が低い国を選べば、同じ予算で多くのエンジニアを雇用したり、開発コストを抑えることができます。
- プロジェクト型: 一定の納期・範囲を決めてシステムを開発
- ラボ型（専属チーム型）: 長期間海外に専属チームを確保し、継続的に開発を行う
ベトナムが選ばれる主な理由
豊富なIT人材
ベトナムは、IT教育に力を入れている国であり、大学や専門学校で質の高いIT教育を提供しています。そのため、若くて優秀なエンジニアが多く、技術力が高い人材を安定的に供給できる環境が整っています。特に、ソフトウェア開発やウェブ開発、モバイルアプリ開発においては、プログラミングスキルを持ったエンジニアが豊富に存在しています。この人材プールの豊かさが、ベトナムがIT分野において注目される大きな理由の一つです。
コストパフォーマンス
ベトナムは日本に比べて人件費が圧倒的に低いため、同じ予算でより多くの人材を採用し、大規模な開発チームを構築することが可能です。これにより、企業はコストを大幅に削減しながら、高品質な開発を実現できるため、特にコスト効果を重視する企業にとって魅力的な選択肢となっています。また、開発費の削減は、他の戦略的投資に予算を回すことができるため、全体的な経営効率の向上にも繋がります。
コミュニケーション環境の整備
ベトナムでは、日系企業の進出が増えており、日本語が堪能なエンジニアやプロジェクトマネージャーが多くいます。また、英語を話せるエンジニアも多く、国際的なコミュニケーションが円滑に行える環境が整っています。このため、言語の壁が低く、プロジェクトの進行がスムーズに行われることが多いです。ベトナムのエンジニアは、文化的にも日本との相性が良く、日本のビジネスマナーや仕事の進め方にも適応しやすいため、安心してオフショア開発を進めることができます。
政策支援と安定性
ベトナム政府はIT産業を国家戦略の重要な一分野として捉えており、IT関連の企業誘致やエンジニアの育成に積極的な支援を行っています。政府の支援により、国内でのIT開発が盛んになり、多くの国際的な企業がベトナムに拠点を構えています。さらに、ベトナムは政治的にも比較的安定しており、長期的な事業運営がしやすい環境が整っています。この安定性と政府の支援が、ベトナムをオフショア開発の拠点として選ばれる理由の一つです
ベトナムのIT事情をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。
フロントエンジニアをオフショア開発で確保するメリット
人材不足の解消
日本国内では、フロントエンド領域に特化したエンジニアが不足している現状があります。特に高度な技術を持つエンジニアの確保が困難です。しかし、オフショア開発を活用することで、世界中から才能あるエンジニアをリモートで確保でき、プロジェクトに必要なスキルセットを迅速に補完することができます。たとえば、インドやベトナムなど、テクノロジー教育が進んでいる国々では優れたフロントエンドエンジニアが多数在籍しており、柔軟にチームを構築できます
コスト削減
日本国内のエンジニアの人件費は相対的に高く、特に優秀なフロントエンドエンジニアに対する給与は高騰しています。これに対して、オフショア開発を利用することで、同じ予算でより多くのエンジニアを配置できる場合があります。例えば、インドやベトナム、フィリピンなどの国では、優れたスキルを持ちながらもコストが低いため、開発費を大幅に削減することが可能です。このコスト削減により、開発リソースの拡充やプロジェクト規模の拡大が現実のものとなります。
納期短縮・スピード開発
オフショア開発では、異なるタイムゾーンを活用することが可能です。たとえば、日本の開発チームが日中に作業を行い、夜間にオフショアのチームが作業を進めることで、開発が24時間体制で行われることになります。このように、納期を短縮するためにチームのタイムゾーンを効果的に活用することができ、スピード感のある開発が可能になります。また、大規模なプロジェクトでも多国籍のエンジニアを同時にアサインし、並行して開発を進められるため、迅速なリリースが可能となります。プロジェクトに必要な人数を一度に確保しやすいため、大規模開発や短期集中の案件でも柔軟に対応しやすいです。また、時差を利用し、日本で昼に行った作業を夜にベトナム側が進めるなど、開発を止めずに回せるケースもあります。
多言語・多文化による発想の広がり
グローバルに展開するプロダクトやサービスの開発において、オフショアのエンジニアが提供する多言語および多文化の視点は、ユーザーエクスペリエンス（UX）やインターフェースデザインにおいて大きなメリットをもたらします。異なる文化背景を持つエンジニアが、現地のユーザーに適したデザインや機能を提案することで、ターゲット市場に合わせた魅力的な製品を提供することができます。このような多様な視点を取り入れることで、グローバル市場での競争力を高めることができます。
フロントエンジニアのオフショア開発を成功させるポイント
橋渡し役（ブリッジSE/PM）の配置
日本語とベトナム語（または英語）の両方を理解できるエンジニアをプロジェクトの要として配置します。コミュニケーションロスが減り、文化や言語の違いによる誤解も最小限に抑えられます。
明確な仕様書・ドキュメントの作成
仕様を口頭やチャットだけで伝えると、ニュアンスのズレが起きやすいです。画面レイアウトや機能要件を文章や図で整理し、GitHubやオンラインドキュメントで共有すると、チーム全体が同じ認識を持ちやすくなります。
定期的なレビューサイクル
フロントエンドはデザインや使い勝手が重要なので、1〜2週間ごとに進捗をチェックし、ステージング環境で実際の画面を確認します。早めに「想定外」を見つけて修正できるため、手戻りを大幅に減らせます。
適切なプロジェクト管理ツールの導入
タスクの進捗状況や担当者を一元管理できるTrello、JIRA、Redmineなどを活用しましょう。時差のある海外チームでもリアルタイムに情報を共有でき、開発をスムーズに進められます。
国内SES vs. オフショア開発のコスト・スピード感
| 項目 | 国内SES | オフショア開発 |
|---|---|---|
| コスト | 高め | 比較的低め |
| コミュニケーション | 同じ日本語でスムーズ | ブリッジSEの有無や英語力に左右される |
| リソース確保 | 人材不足で難易度が高い | 海外の豊富なエンジニアを活用しやすい |
| 納期・スピード | 人数や予算次第で制限あり | 大人数アサインや時差活用で短納期対応可能 |
| 文化・時差 | なし | あり（ただしうまく活かせる部分も） |
| 長期的な協業メリット | 企業文化を共有しやすい | 将来的な海外展開や現地拠点拡大に強み |
ポイント: フロントエンジニアは画面の見た目や操作性に大きく関わるため、スピーディに開発しつつデザインや機能を何度もブラッシュアップする必要がある場面が多いです。オフショア開発では人員を大量にアサインしやすいという強みが活きます。
フロントエンジニアのオフショア開発における注意点・デメリット
コミュニケーションコスト
言語や文化の差があるため、指示を曖昧にすると期待と異なる成果物になりかねません。特にフロントエンドはデザインの細部まで共有する必要があるため、丁寧なコミュニケーションが欠かせません。
品質管理
リモート作業が中心となるため、進捗状況やコード品質が見えにくいことがあります。定期レビューやテスト体制をしっかり組み込んでおきましょう。
人材の流動性
ベトナムなどアジア地域では、エンジニアの転職が盛んです。キーメンバーが抜けても開発が止まらないよう、情報共有を常に行う体制づくりが必要です。
セキュリティ面
海外にソースコードやデータを置くため、情報漏えいリスクをゼロにすることは難しいです。VPNの利用やアクセス権限の制限、NDA（秘密保持契約）の締結といった対策を施しましょう。
参考リンク（セキュリティ対策に関するガイド）
Q&A
Q1. 英語やベトナム語が話せないと難しいですか？
A. エンジニア全員が話せなくても問題ありません。ブリッジSEや日本語対応可能なPM（プロジェクトマネージャー）がいる企業を選べば、要件や指示を日本語で伝えられます。ただし、仕様書やチャットで英語を使う場面もあるので、チームに英語を読める人がいるとスムーズです。
Q2. オフショア開発では品質はどう確保しますか？
A. スプリント（短い期間）ごとに機能を完成させてテストし、こまめにレビューするアジャイル開発手法などが効果的です。バグや仕様ズレを早期に発見・修正できる体制が大切です。
Q3. セキュリティ面のリスクが心配です…
A. VPNでネットワークを保護し、ソースコードやデータへのアクセス権限を厳格に制限することが一般的です。また、NDAを結んで情報漏えいを防止し、必要に応じてクラウド環境での開発を行うなど対策を講じることができます。
Q4. ベトナムのエンジニアの技術力は？
A. 個人差はありますが、ベトナムではIT教育が充実しているため、若く実力のあるエンジニアが増えています。最新のフレームワークや技術に積極的に挑戦している企業も多く、日本のエンジニアと比べても遜色ないレベルの方が数多く存在します。
Q5. コスト以外にもメリットはありますか？
あります。時差を活用して開発が途切れないように進めることができたり、多国籍チームから新しいアイデアを得られるなど、グローバル化に対応しやすくなる点も大きな魅力です。
まとめ
フロントエンジニアをオフショア開発で確保する方法は、日本国内の人材不足や高コストを解消する強力な手段です。特にベトナムはIT人材の育成が活発で、若く優秀なエンジニアを比較的安価に確保できる可能性が高い国として注目されています。
一方で、言語や文化の違い、品質管理、セキュリティ面など国内開発とは異なる課題も存在します。これらをカバーするためには、ブリッジSEの配置やこまめなレビュー、明確な仕様書の作成などが不可欠です。しっかり準備を行えば、オフショア開発によって納期短縮・コスト削減・グローバル視点の獲得といったメリットを享受できるでしょう。
失敗せず優秀なオフショア企業&エンジニアを見つけるには？
失敗したくない人だけみてください。
正直、オフショア開発は難しいです。
ただ成功するか失敗するかは一緒にやるパートナー次第です。
我々は多くのプロジェクトを成功させてきたオフショアチームがいます。
そのノウハウややり方を熟知しています。
もし、あなたがオフショア開発で検討しているのであればぜひ一度ご相談ください。
必ず、役に立つような情報を共有できます。
海外のエンジニア情報が簡単に見れる！
→サイトはこちら
SkillBridgeは海外エンジニアと人材不足の企業をマッチングさせるプラットフォームです。
メリットは以下の通りです。
①海外のエンジニアの単価が一目でわかる。
②経験年数が明白に記載されているため探している人材かわかる
③オフショア開発のプロによるサポート体制が充実している
今なら難しい海外エンジニアの活用をサポートするコンサルティングを無料で致します。
ぜひ一度エンジニア一覧を確認をしてお問い合わせください。
多くのメディアの掲載実績があり
我々は多くのメディア掲載実績があります。
多くのプロジェクトを成功させ、現在に至ります。
ベトナムの実力あるオフショア企業を厳選し、ご要望に合った最適なITパートナーをご紹介します。
さらに50案件以上やってきた実績のあるメンバーがサポートを行います。
オフショア開発で迷ったらまずは問い合わせてください。
今なら無料コンサルを実施中です。
ぜひお気軽に相談してください！！
